19世紀末にレントゲンがＸ線を、キュリー夫妻やベクレルが放射性物質からの放射線を発見して以来、放射線が理 学・工業・医療などにおいて人類に様々な貢献をしてきたことはよく知られています。20世紀から21世紀にかけての科学技術の発展はめざましく、人類に豊 かな生活をもたらしました。医療における放射線技術は格段の進歩を示していて、放射線が医療で果たす役割は今日非常に重要です。医療での放射線の使用は多 岐に渡っていますが、反面危険を伴うため十分な知識が必要です。名古屋大学においても初期には、昭和30年に設置された診療エックス線技師学校で2年教育 を、昭和44年からは診療放射線技師学校で3年教育を、次いで昭和55年には医療技術短期大学部診療放射線技術学科とし、さらに平成10年からは医学部保 健学科の放射線技術科学専攻として4年教育を始めました。

　現在、医療で用いられている放射線はＸ線が主流で、Ｘ線撮影や消化管撮影、血管造影のほか、Ｘ線ＣＴや放射線治療 などの装置があり，他の放射線を利用した装置にはガンマカメラ、ＰＥＴ画像診断装置などがあります．診療放射線技師が取り扱う放射線を利用しない装置には 磁気共鳴画像診断装置、超音波画像診断装置などもあります。これらの検査や治療は増加の一途をたどっています。診療放射線技師は，これらの装置より得られ る信号に種々の処理を施し診断に有用な画像へと変換しています。

　このように科学の進歩に伴う高度な装置の発達により診療放射線技師に課される責任は多大です。そこで名古屋大学では4年生教育に加え、平成14年4月に大学院修 士課程(現在博士前期課程)、平成16年度に博士課程を設置し、平成19年3月には博士号の取得者を送り出しました。これら4年、2年、3年の教育によ り、医療人としての心構えを有し、加えて医療現場での問題解決能力を備えた診療放射線技師、企業や研究機関で医療機器の研究開発などに携わる放射線技師、 さらに放射線技術学の学問を研究し体系化を進める教育者・指導者の育成を目指しています。

According to the remarkable progress and expansion of the clinical field of modern radiology, a lot of new radiologic modalities (such as X-ray CT, computed radiography, digital subtraction angiography, magnetic resonance imaging, etc.) are being successively introduced into the field of clinical radiology. In order to respond to this situation, the education of radiological technology students should be directed to master not only the traditional radiographic technique, radiotherapy and nuclear medicine but also these modalities recently developed.

The purpose of the curriculum in this Department is to educate highly disciplined radiological technologists who have ample knowledge of their profession. For the first and second year, students are required to study the general education courses and some basic medical subjects. For the third and fourth year, specialized professional subjects associated with clinical training are provided.

All graduates are qualified as registered radiological technologists following their passing of the national examination for licensing.